「O脚と言われることがある」や「最近歩き始めに膝が痛む」という方で近医に受診した際、変形性膝関節症と診断されたことはありませんか?
膝が痛むと日常生活に支障をきたし、活動量も低下します。今まで楽しかったお出掛けまでも制限されてしまいます。
今回は変形性膝関節症になりやすい方の特徴や、原因、予防策を紹介していきます。
特徴
変形性膝関節症になりやすい方の特徴としては、肥満女性に多いです。体重が増えるとその分膝関節にかかる負担が大きくなるのは誰でもわかりますが、なぜ女性に多いのでしょうか?女性は男性に比べてテストステロンの量が少なく、筋肉がつきにくい体質にあります。筋肉が少ないとその分、骨や関節で体重を支える場面が多くなり、結果男性よりも関節にかかる負担が大きいとされています。関節の間にある軟骨は消耗品の為、負荷をかけ続けると擦り減ってしまいます。
原因
原因因子は様々で、その方の背景によって原因は異なります。
☆遺伝的要因:変形性膝関節症の30%は遺伝的とされていますが、詳しいことはまだわかっていないようです。
☆過度な運動:傾斜のある道やスクワットなど、通常よりも膝関節を多く使っている。
☆肥満・体型:肥満のみならず、骨格でも膝関節症の原因因子になります。
☆加齢 :老化により、軟骨の性質が変化し、擦り減りやすくなります。
☆筋力低下 :体重を支える筋群が低下していることで、関節にかかる負担が増大します。
治療
☆保存療法
運動療法:膝関節周囲にある筋群(主に大腿四頭筋/ハムストリングス/腓腹筋)をトレーニングやストレッチ。
薬物療法:消炎鎮痛剤やヒアルロン酸注射など。
物理療法:温熱療法や電気療法。
☆手術療法:関節鏡視下手術・骨切り術・人工膝関節置換術の3種類が主です。
予防
運動
大腿四頭筋(太もも前)の運動がよく挙げられますが、これだけでは予防になりません。筋群は拮抗する筋のバランスが大切になってきます。大腿四頭筋(太もも前)と並行してハムストリングス(太もも裏)をトレーニングする必要があります。これらの筋が拮抗して初めて予防に繋がります。
食事
体重管理も大切になってきます。当院には栄養士による栄養指導も行っておりますので、体重管理について詳しく知りたい方は当院までご連絡ください。
柔軟
太ももの前と裏やふくらはぎの柔軟性も大切になってきます。筋肉が緊張した状態が続くと関節の可動範囲も制限され、膝関節にかかる負担が増大します。また、膝関節の屈伸動作に必要不可欠な膝蓋骨(膝のお皿)の可動範囲が制限されることで、歩きにくさや立ち上がる際の膝の痛みなどに繋がってくることがあります。膝蓋骨の柔軟性低下は筋肉による要因の他に、膝蓋骨と膝関節の間にある膝蓋下脂肪体の炎症による制限も存在します。膝蓋下脂肪体は神経や血管が豊富であり、動かないでいると固くなり、膝の屈伸や負荷がかかり過ぎるとすぐに炎症をきたす傾向にあります。膝蓋骨の円滑な動きを保持しておくためにも、膝関節を伸ばした状態で膝蓋骨を上下左右斜め方向に動かすことが大切になってきます。膝蓋骨の動かし方がいまいちわからない方は整骨院や理学療法士のいるクリニックに受診し、指導してもらうのをおすすめします。
※膝関節の痛みで日常生活が制限され、外出の頻度が減ってきている方をよく耳にします。
膝関節の変形は徒手的には治すことはできません。しかし、変形の度合いによっては、悪化を防止することはできます。膝関節変形の悪化を防止するには、毎日の防止策が必要になってきます。かと言って毎日施術してもらうには金銭面や忍耐力的にも厳しいかと思います。当院では、1度来院していただき、自宅で行えるストレッチやトレーニングを指導します。その後は、月に1度状態を確認する為来院していただき、問題なければ半年に1回にしていき、最終的には来院しなくてもいい状態にしていくのが理想になります。もう一度楽しかった外出生活を取り戻しましょう。