夏に近づくにつれて腕を出す頻度は増えてくるかと思います。でも、肩から二の腕にかけてのお肉が気になり、着たい洋服も着られないといったお悩みをよく耳にします。今回は、二の腕が太くなってしまう原因や特徴、対策をご紹介します。
二の腕が太く見える原因・特徴
皮下脂肪の蓄積
二の腕がプニプニ柔らかいのは皮下脂肪が原因になっていることが多いです。特に女性はエストロゲンというホルモンの関係で、体温の維持や外部からの衝撃を緩和する為に皮下脂肪がつきやすくなっています。中でも二の腕は日常生活で使われる頻度が少なく、脂肪が蓄積されやすい部位でもあります。
筋力低下
二の腕にある筋肉は上腕三頭筋という筋肉で、肘関節を伸ばしきる作用があります。力を入れながら肘関節を伸ばしきる動きは、日常生活であまり使われない為、衰えやすい部位になります。筋肉は衰えると脂肪量以上にたるんで見えることがあります。
姿勢
スマートフォンやパソコン業務など、身体の前で行う作業が多くなってきており、猫背(巻き肩)になる方が増えてきています。この巻き肩も二の腕が太く見える原因の1つです。巻き肩とは、肩甲骨が外側に開き、肩関節が前方に位置している状態ですが、この姿勢が続くと背部の筋群と二の腕をうまく使うことができず、丸みを帯びた後ろ姿になってしまいます。
二の腕(上腕三頭筋)の構造や作用を理解しよう
二の腕にある筋肉を上腕三頭筋と言いますが、この筋肉は字の通り、3つの頭をもつ筋肉になります。1つ目が長頭、2つ目が内側頭、3つ目が外側頭になります。この3つの頭は、主に肘関節を伸ばす働きをしますが、長頭のみは違います。長頭は、肘関節を伸ばす作用の他に脇を閉じたり、肩関節を伸展(腕を後ろに動かす)させる作用があります。
これらの作用を理解した上でストレッチやトレーニングをするだけでも効率よく行うことができます。
対策
二の腕を引き締めるには、上腕三頭筋のストレッチやトレーニングは勿論ですが、まずは背部(僧帽筋や菱形筋・広背筋)の筋群をトレーニングし、姿勢を意識しながら上腕三頭筋のトレーニングをするのがオススメです。猫背(巻き肩)の状態で上腕三頭筋のストレッチやトレーニングを行っても、肩関節や首、腰を痛めてしまう可能性がある為、まずは正しい姿勢を獲得しましょう。
猫背(巻き肩)矯正ストレッチ
猫背(巻き肩)は、肩甲骨が外側に開いてしまっている状態にある為、肩甲骨同士を近づける練習をしましょう。よく目にするのが、身体の後ろで手を組み、グーっと胸を張るストレッチがあります。決して間違いではないのですが、手の組み方次第で効果は倍になります。
皆さん、1回わざと猫背(巻き肩)にしてみてください。自分の親指はどこに位置していますか?恐らく身体の近くに位置していると思われます。その身体に近い親指を外側に向けてみてください。自然と胸が張り、姿勢が伸びませんか?この原理を利用して、身体の後ろで手を組む際に、手のひらをお尻に向け小指同士を組み、グーっと胸を張れば効率がよくなります。
ここで注意すべきことは、グーっと胸を張る際に、組んだ手を下方に意識して伸ばすことです。よく上方に向かって伸ばす方がいますが、肩関節前面にかかる負荷が大きくなり、肩関節を痛めてしまう可能性があるので止めておきましょう。
上腕三頭筋トレーニング
上腕三頭筋のトレーニングは、肘関節を伸ばすことで効果が発揮されます。トレーニング方法は様々であり、頭上で行うトレーニングから身体の側面で行うトレーニング、寝た状態や座った状態で行うトレーニングなどを紹介することができます。
ここで紹介することもできますが、トレーニングをする方の背景や姿勢、現在痛めている箇所によってもトレーニング方法は変わってきます。当院来院時には、問診から姿勢観察、筋のストレッチ性を評価させていただき、その方に合ったトレーニング方法を紹介します。頻繁に来院できない方にも、自宅や職場で行える簡単なストレッチやトレーニングを紹介しますので、是非お気軽にご相談ください。
※トレーニングの他にも、栄養士による栄養指導や医師による診断など、お悩みを少しでも解消できるよう進めて参ります。