キレーション療法とは

キレーション療法について
キレーション療法とは、体内に蓄積された有害金属(鉛、水銀、カドミウム、ヒ素など)や老廃物を取り除くことで、身体機能の改善や健康維持を目指す治療法です。EDTA(エチレンジアミン四酢酸)といったキレート剤を用い、静脈点滴によって体内の有害物質を除去します。

動脈硬化や心疾患、脳梗塞の予防および治療として、欧米で広く行われています。また、細胞の老化防止や血流の改善、免疫力の向上にも寄与することが期待されています。
キレーション療法は、20世紀初頭に開発されました。当初は鉛中毒やその他の有害金属の中毒治療に使用されていましたが、その後、動脈硬化や心血管疾患などの予防・治療に効果があることがわかり、広く利用されるようになりました。特に欧米では、代替医療として数多くの臨床研究が行われており、その有効性が支持されています。
こんな方におすすめ

- 体内の有害金属(水銀、鉛など)を除去したい方
- エイジングケアに関心のある方
- 動脈硬化、心筋梗塞、脳梗塞などの心血管疾患を予防したい方
- 慢性疲労、アトピー性皮膚炎、メニエール病などの症状に悩んでいる方
- 糖尿病やその合併症の予防・改善を考えている方
- 健康診断で血管の硬化や血流の低下を指摘された方
キレーション療法は、体内に蓄積された有害重金属を排出し、血管の若返りや細胞の老化防止に効果が期待される治療法です。特に、心筋梗塞や脳梗塞の予防、動脈硬化の改善を目指す方に適しており、エイジングケアを目的とした健康維持にも効果的です。
また、慢性的な疲労や肌トラブル、神経系の問題にも改善が見込まれるため、幅広い健康ニーズに応えることができます。
当院のキレーション療法における特徴

当院のキレーション療法では、患者様一人ひとりの健康状態に合わせて、個別の治療プランを提供しています。治療に際しては、血管の硬さや体内の有害金属量などを詳細に検査し、その結果に基づいて最適な治療法を選択します。
また、安全性にも配慮しており、治療中は医師が常に状態を監視し、万が一の副作用にも迅速に対応できる体制を整えています。
キレーション療法のメリット

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Merit01
動脈硬化や心血管疾患の予防効果がある
キレーション療法は、動脈硬化を引き起こすカルシウム沈着や有害金属を体外に排出することで、血管の柔軟性を回復させる効果があります。動脈硬化が進行すると、心筋梗塞や脳梗塞といった深刻な心血管疾患のリスクが高まりますが、キレーション療法によって血流が改善し、これらの疾患の予防が期待できます。特に高齢者や心臓疾患のリスクが高い方にとって、動脈硬化を遅らせることは健康維持において大きなメリットとなります。
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Merit02
アンチエイジングや美容効果が期待できる
キレーション療法は、体内のフリーラジカルを除去する抗酸化効果があり、細胞の老化を防止します。これにより、シミやしわといった肌トラブルの改善が期待でき、アンチエイジング効果が期待できます。また、全身の血流が改善されることで、体内の栄養素が効果的に運ばれ、代謝が促進されるため、健康的な肌を維持することができます。このため、アンチエイジングを目指す方や美容に関心がある方に適した治療法と言えるでしょう。
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Merit03
神経系の健康維持につながる
キレーション療法は、神経系の健康維持にも効果があります。有害重金属は神経細胞にダメージを与えることが知られており、これが原因で認知機能の低下や神経障害が生じることがあります。キレーション療法によりこれらの重金属を除去することで、アルツハイマー病やパーキンソン病などの神経疾患の予防が期待され、さらに集中力や記憶力の向上にもつながります。脳の健康を守るため、特に神経系の症状が気になる方におすすめです。
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Merit04
安全性が高く副作用が少ない
キレーション療法は、適切な医師の監督のもとで行われれば非常に安全であり、長期的に健康を維持するための治療として優れています。副作用も少なく、週に1〜2回の点滴を行うことで、持続的に体内の有害物質を除去することができます。
キレーション療法のデメリット(リスク・副作用)

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Demerit01
腎機能に負担がかかる
キレーション療法は、腎臓に大きな負担をかけることがあります。治療中に腎機能が悪化する可能性があるため、必ず事前に腎機能の検査を行う必要があります。
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Demerit02
必須ミネラルも排出される
キレーション療法は、有害金属と一緒に亜鉛や鉄、マンガンなどの必須ミネラルも排出してしまう可能性があります。そのため、治療後にはビタミンやミネラルの補給が推奨されます。サプリメントなどを用いて、体内の必要な栄養素を補充することが重要です。
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Demerit03
痛みや疲労感を感じることがある
キレーション点滴の際には、一時的な痛みや疲労感、頭痛、吐き気などの副作用が発生することがあります。点滴速度が速すぎるとこれらの症状が悪化する可能性があるため、点滴をゆっくり行うことで、副作用のリスクを最小限に抑えます。
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Demerit04
複数回の治療を要する
キレーション療法は基本的に複数回の治療が必要です。体内の有害金属を完全に排出するためには、10回以上の治療が必要な場合もあります。
当院で行っているキレーション療法の種類

Ca-EDTAキレーション
Ca-EDTA(カルシウムエチレンジアミン四酢酸)は、鉛中毒の治療薬として承認されているキレート剤で、鉛と強く結合して体外への排出を促進します。カルシウムが結合しているため、体内のカルシウムを過剰に排出するリスクが低く、比較的副作用が少ないのが特徴です。
Ca-EDTAキレーションは、鉛曝露が疑われる方や、動脈硬化の予防・改善を目的とする方に適しています。血管内皮機能の改善や抗酸化作用も報告されており、動脈硬化の予防・改善に寄与する可能性も示唆されています。
Na-EDTAキレーション
Na-EDTA(ナトリウムエチレンジアミン四酢酸)は、Ca-EDTAよりも強力なキレーション作用を持つキレート剤です。
鉛だけでなく、カルシウム、カドミウム、マンガンなど、様々な金属イオンと結合し、体外への排出を促進します。Ca-EDTAでは十分な効果が得られない場合や、複数の有害金属の蓄積が疑われる場合に適しています。
当院のキレーション療法の治療の流れ
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Step01
カウンセリング・問診
最初にカウンセリングと問診を行います。血液検査などで患者の健康状態や体内にどれくらい有害金属が蓄積しているかを確認し、治療の必要性を判断します。
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Step02
治療計画の作成
カウンセリングと検査の結果をもとに、治療計画を立てます。患者の治療の目的や症状に合わせて、キレーション療法の頻度や回数を決めます。
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Step03
キレーション療法の実施
静脈点滴によってキレート剤を投与します。1回の点滴には通常60〜90分かかります。治療は週に1〜2回の頻度で行うのが一般的で、症状によっては10〜20回ほどの治療が必要です。
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Step04
効果の確認
一定回数の治療が終わった後、動脈硬化の改善状況や体内の有害金属の減少具合を検査します。
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Step05
継続治療の判断
治療効果を確認した後、必要であれば治療を続けます。治療効果があったとしても、健康を維持するために定期的なメンテナンスを行うことも重要です。動脈硬化の進行や有害金属の再蓄積を防ぐために、3〜6か月ごとに1回程度の治療を行うことをおすすめしています。