マンジャロとは?

マンジャロは、2型糖尿病の治療に用いられる注射薬で、有効成分としてティルゼパチドを含みます。週1回の皮下注射により、血糖値のコントロールと体重減少の両方が期待できることから、従来の治療で効果が不十分だった方への新たな選択肢として注目されています。
この薬剤は、GLP-1受容体作動薬とGIP受容体作動薬の両方の性質を併せ持つ、世界初の「デュアルインクレチン受容体作動薬」です。
マンジャロの仕組み
マンジャロは、2種類のインクレチンホルモン(GLP-1とGIP)に働きかけることで、以下のような効果を発揮します。
GLP-1受容体への作用
→ 血糖値が高いときにインスリン分泌を促進し、グルカゴン分泌を抑制
→ 低血糖のリスクを抑えながら血糖値を安定化
GIP受容体への作用
→ 胃の排出を遅らせて満腹感を持続
→ 食欲を自然に抑え、体重減少をサポート
この二重の作用により、単一のインクレチン薬では得られない、より高い治療効果が期待されています。
こんな方におすすめ
経口薬で十分な効果が得られていない方
例:メトホルミンなどを継続しているが、HbA1cが目標値に届かない方
体重管理に課題を感じている方
血糖コントロールと同時に、体重減少も目指したい方
GLP-1受容体作動薬で効果が不十分だった方
既存の注射薬で改善が見られなかった方にも、新たな選択肢として有効
注射回数を減らしたい方
週1回の投与で済むため、通院や自己管理の負担を軽減したい方
マンジャロ治療のメリット
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Merit01
血糖値と体重の両方にアプローチ
臨床試験では、HbA1cの大幅な改善に加え、平均で体重の10%以上の減少が報告されています。
糖尿病治療と肥満対策を同時に行える、理想的な治療効果が期待できます。 -
Merit02
週1回の投与で続けやすい
毎日の服薬や頻繁な注射が不要なため、治療の継続率が高まりやすく、生活への負担も軽減されます。
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Merit03
注射時の痛みが少ない
使用される針は細く短いため、注射時の不快感が最小限に抑えられています。初めての方でも安心して取り組めます。
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Merit04
低血糖リスクが低い
血糖値が正常な範囲にある場合はインスリン分泌を促進しないため、従来のインスリン治療に比べて低血糖の危険性が大幅に軽減されます。
日常生活や仕事への影響を心配せずに治療を続けられる点も大きな利点です。
マンジャロ治療のデメリット・副作用
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Demerit01
消化器症状が出ることがある
治療初期に、吐き気・嘔吐・下痢・便秘などの症状が現れる場合があります。
多くは時間とともに軽減しますが、強い症状が続く場合は投与量の調整や中止が必要になることもあります。 -
Demerit02
注射部位の反応
赤み・腫れ・かゆみなどが起こることがあります。
適切な部位の選択と注射方法により、症状を抑えることが可能です。 -
Demerit03
まれに重篤な副作用が報告されている
膵炎や腎機能の悪化などが報告されており、腹痛や背部痛などの症状がある場合は速やかな受診が必要です。
当院では定期的な検査を通じて、早期発見に努めています。 -
Demerit04
費用が高額になる可能性がある
新しい薬剤のため、他の糖尿病治療薬と比較して費用負担が大きくなる場合があります。
保険適用の有無や自己負担額については、事前にご相談いただけます。
当院のマンジャロ治療の流れ
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Step01
初診・問診
糖尿病の状態やこれまでの治療歴を詳しくお伺いします。
生活習慣やご希望も含めて、総合的に評価します。 -
Step02
血液検査・適応判断
腎機能・肝機能・膵機能などを血液検査で確認。
マンジャロ治療が適しているかを慎重に判断します。 -
Step03
注射手技の指導
実際の注射器を使って、正しい投与方法を練習。
初めての方でも安心して取り組めるよう丁寧にサポートします。 -
Step04
初回投与(院内)
初回は院内で注射を行い、副作用の有無を確認 -安全を確認した上でご帰宅いただきます。
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Step05
定期診察とフォローアップ
初期は2週間ごと、その後は月1回の診察が基本。
血糖値・体重・副作用の有無を確認し、必要に応じて投与量を調整。
他の治療薬との併用や生活習慣の改善指導も並行して行います。 -
Step06
継続的なサポート
治療中の不安やご質問にも随時対応。
患者様の症状やご希望に応じて、最適な治療方針をご提案します。