頭痛の種類
頭痛に悩まされている方は非常に多く、日本人の約40%が慢性的な頭痛を経験していると言われます。頭痛は原因となる病気がなく起こる「一次性頭痛」と、頭の中に深刻な病気が起こることが原因となる「二次性頭痛」に分類されます。まずは多くの方が経験される「一時性頭痛」について解説します。
緊張型頭痛
一時性頭痛の中で最も多いのがこの緊張型頭痛です。首や肩周囲の筋肉の緊張やストレスが引き金となって起こる頭痛とされます。長時間のうつむき姿勢によるデスクワークや自動車の運転等の職業をされている方に多くみられます。また、体型に合わない枕の使用や睡眠不足、眼精疲労も誘因になります。さらには気分がうつ状態となることも引き金になると言われています。
症状は日常作業に支障がない程度とされていますが、実際には痛みの程度や頻度は個人差が大きく、いつも同じとは限りません。片頭痛でみられるような嘔気や嘔吐は通常ないことが多いですが、症状が強い場合は片頭痛も合併している可能性がありますので要注意です。
鎮痛薬の内服により症状は一時的に改善されますが、鎮痛薬の長期内服は様々な副作用をもたらす可能性があるためあまりお勧めできません。慢性的な緊張型頭痛で悩まれている場合には、緊張の原因となる誘因を取り除くことが大切です。適切な睡眠や休憩時間の軽い運動やストレッチなど、ご自身で取り組める改善点があればぜひ試してみましょう。またメンタルによる要因がある場合は医師へ相談いただくこともお勧めします。
片頭痛（偏頭痛）
ほとんどの場合は左右どちらか片方の頭にズキン、ズキンと脈を打つような痛みが生じることが特徴ですが両側で起こることもあり、女性に多くみられます。約2割の患者様では頭痛が始まる予兆として、目の前に光が出現して徐々に大きく広がり、その先が見えにくくなる閃輝性暗点（せんきあんてん）と言われる症状が起こることがあります。強い痛みに加えて吐き気を伴うこともあり、光や音、匂いなどに過敏になり日常の動作もままならなくなることがあります。
一般的な鎮痛薬の内服で改善がみられる場合があります。しかし症状が重く日常生活に支障を来たす場合などは医療を受診しましょう。片頭痛のお薬としてはトリプタン系薬剤が効果的です。さらに他の鎮痛薬や制吐剤も併用することで辛い症状をコントロールできることもあるので、医師にご相談ください。
群発頭痛
突然、片方の目をえぐられるような激しい痛みが一定期間に何度も集中して起こることからこの名称が付けられています。発作は夜間や朝に起こることが多く、比較的若い男性患者が多いことが知られていますが、詳細な原因は不明です。また発作時に目が充血して涙や鼻水、まぶたのむくみといった特徴的な症状を伴うことも有名です。
一般的な鎮痛薬では改善しないことで知られており、専門医の診察を受けることをお勧めします。
二次性頭痛
くも膜下出血、脳出血、脳腫瘍などの頭蓋骨内で起こる病気の症状として起こる頭痛です。これらの病気は早急な対応が必要な必要になり、時期を逸してしまうと重度の障害や命の危険もあるため注意が必要です。慢性的な頭痛で治療をされている方も、今までの頭痛とは違うと感じた場合は速やかに医療機関を受診してください。
