吐き気・嘔吐とは

吐き気や嘔吐は、体の異常を知らせる一般的な症状です。
吐き気はムカムカした感覚を伴い、嘔吐は胃の内容物を吐き出す現象を指します。
原因には消化器疾患、妊娠、片頭痛、ストレス、薬の副作用などがあり、嘔吐では急性胃腸炎や食中毒も考えられます。
症状が長引く、血の混じった嘔吐、強い腹痛や脱水がある場合は早急に医療機関を受診しましょう。
吐き気治療の受診の目安
- 吐き気や嘔吐が24時間以上続く
- 嘔吐物に血が混じる
- 強い腹痛、意識混濁、高熱を伴う
- 脱水症状が疑われる
1. 吐き気や嘔吐が24時間以上続く
吐き気や嘔吐が24時間以上続く場合や、脱水症状、嘔吐物に血が混じる、黒色便、激しい腹痛、高熱、意識の変化などがある場合は、早急に医療機関を受診することが重要です。
特に持病がある場合は、自己判断せず速やかに相談してください。
2. 嘔吐物に血が混じる
嘔吐物に血が混じる場合は、消化管出血が疑われるため、早急に医療機関を受診してください。
胃潰瘍や十二指腸潰瘍、食道静脈瘤の破裂、胃がんや食道がんなどが原因となることがあります。
赤い血液やコーヒー色の嘔吐物が特徴で、軽度に見えても緊急性が高い場合があるため、速やかな診察が必要です。
3. 強い腹痛、意識混濁、高熱を伴う
強い腹痛、意識の混濁、高熱を伴う場合は、感染症や消化管疾患、腸閉塞、膵炎などの重篤な病気が疑われます。
これらの症状は迅速な診断と治療が必要であるため、自己判断せず早急に医療機関を受診してください。
4. 脱水症状が疑われる
脱水症状が疑われる場合は、早急な対応が必要です。
嘔吐や下痢、発熱などが原因で発生し、口の渇き、尿量の減少、めまい、皮膚の乾燥などの症状が現れます。
軽度の場合は水分補給で改善しますが、重度では意識の混濁や血圧低下が生じるため、速やかに医療機関を受診してください。
吐き気・嘔吐の原因

- 消化器系の異常
- 中枢神経系の異常
- 内耳の異常
- 内分泌・代謝の異常
- 精神的な要因
- 全身疾患
- その他の原因
1. 消化器系の異常
胃炎や胃潰瘍は、胃の粘膜が炎症を起こすことで吐き気を引き起こします。腸閉塞では腸が詰まり、胃から内容物を排出しようとするため嘔吐が生じます。急性胃腸炎はウイルスや細菌による感染で、吐き気や下痢が伴います。また、食中毒は病原菌や毒素が体内に入ることが原因で嘔吐を引き起こします。
2. 中枢神経系の異常
片頭痛は、頭痛とともに吐き気や嘔吐が現れることが多いです。脳圧亢進は、脳腫瘍や脳出血が原因で脳内の圧力が上昇し、吐き気や嘔吐を引き起こします。脳震盪は、頭部外傷によって中枢神経に一時的な異常が生じ、吐き気や嘔吐を引き起こすことがあります。
3. 内耳の異常
乗り物酔いは、三半規管が刺激されて平衡感覚が乱れることで吐き気が生じます。メニエール病は、内耳のリンパ液の異常が原因で、めまいや吐き気が発生します。
4. 内分泌・代謝の異常
妊娠(つわり)は、ホルモンバランスの変化が原因で妊娠初期に吐き気が起こります。糖尿病性ケトアシドーシスは、高血糖が進行し、吐き気や意識障害を伴う状態です。甲状腺機能亢進症では、ホルモンの過剰が原因で吐き気を引き起こすことがあります。
5. 精神的な要因
ストレスや不安は、精神的負担が胃腸の働きを乱し、吐き気を誘発することがあり、摂食障害では、無理な食事制限や過食嘔吐が原因で吐き気や嘔吐が起こることがあります。
6. 全身疾患
腎不全では、腎臓の働きが低下することで体内の毒素が増加し、吐き気を感じることがあります。心筋梗塞では、胸痛とともに吐き気や嘔吐を伴う場合があります。感染症、例えばインフルエンザや新型コロナウイルス感染症でも、吐き気が見られることがあります。
7. その他の原因
外科的異常、例えば虫垂炎や胆石などの緊急性の高い疾患では、吐き気が伴うことがあります。食事関連では、暴飲暴食や食べ物のアレルギー反応が原因で吐き気が生じることがあります。過度の運動では、血流の変化や体温調節の乱れによって吐き気が起こることがあります。
当院の吐き気治療・検査

吐き気や嘔吐は、さまざまな原因が考えられる症状です。
当院では、患者様一人ひとりに最適な診断と治療を提供するために、内視鏡検査や血液検査を含む多角的なアプローチを採用しています。
ここでは、各検査の特徴とその重要性についてご説明します。
1. 内視鏡検査
当院では、吐き気の原因を特定するため、必要に応じて内視鏡検査を実施しています。胃や食道、十二指腸などの消化器系を直接観察し、炎症や潰瘍、腫瘍などの異常を早期に発見します。検査時には患者様の負担軽減のため、鎮静剤を使用する場合もあります。
2. 血液検査
血液検査では、感染症や内臓疾患、ホルモン異常、糖尿病、肝機能や腎機能の異常など、さまざまな病状を確認することができます。特に、吐き気や嘔吐が続く場合や他の症状が併発している場合、血液検査により体内の状態を総合的に把握することができます。検査結果に基づき、適切な治療方針を決定します。
3. 薬物療法
当院では、吐き気や嘔吐の症状に対して、原因に応じた薬物療法を行っています。消化不良や胃炎には制酸薬や胃薬、感染症には抗菌薬や抗ウイルス薬、ストレスや不安には抗不安薬を使用するなど、症状に合わせた最適な薬を選択します。片頭痛やメニエール病による吐き気には鎮痛薬や抗めまい薬を処方し、必要に応じて他の治療と併用して効果的な症状緩和を目指します。
当院の吐き気治療における特徴
吐き気は多くの疾患や要因が関与する症状のため、正確な診断と適切な治療が欠かせません。
当院では、豊富な経験と高度な医療設備を活かし、患者さまの不調の根本原因にアプローチする治療を提供しています。
総合的なアプローチ
吐き気の原因はさまざまであるため、症状に合わせて内視鏡検査や血液検査を含む詳細な診断を行い、根本的な原因を特定します。その上で、個別に最適な治療を提案します。
高度な検査設備
内視鏡や血液検査を活用し、消化器系やその他の疾患を迅速に確認し、原因を早期に特定することで、最適な治療を提供します。
当院の吐き気治療の流れ

吐き気はさまざまな原因で引き起こされる不快な症状ですが、適切な診断と治療により改善が期待できます。
当院では、患者さま一人ひとりの症状や背景に合わせた丁寧な診察を行い、原因を特定したうえで最適な治療を提供しています。
ここでは、当院での吐き気治療の流れをご紹介します。
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Step01
初期診察と評価
まず、医師による診察が行われます。ここでは、症状の詳細や生活習慣を確認します。この情報を基に、原因の予測を立て、必要な検査を選定します。
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Step02
必要に応じて検査を実施
当院では、初診時に患者様の症状や既往歴を詳しく伺い、吐き気の原因を特定するために必要に応じて内視鏡検査や血液検査を実施します。内視鏡検査では消化器系の異常を直接確認し、血液検査では感染症や内臓疾患、ホルモン異常などをチェックして全身の状態を把握します。
検査結果をもとに診断を行い、制酸薬や抗ウイルス薬、抗不安薬など原因に応じた薬を処方するほか、必要に応じて生活習慣の改善をアドバイスします。治療後も経過をしっかり観察し、改善が見られない場合には再評価や追加検査を行い、治療を見直します。患者様一人ひとりに最適な治療を提供し、吐き気の根本的な解決を目指します。
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Step03
吐き気の治療方法
吐き気の治療方法は、原因に応じた薬物療法と生活習慣の改善を組み合わせて行います。薬物療法では、消化不良や胃炎には制酸薬や胃薬、感染症には抗菌薬や抗ウイルス薬、ストレスや不安には抗不安薬や抗うつ薬、片頭痛やめまいには鎮痛薬や抗めまい薬が使用されます。
また、生活習慣の改善では、暴飲暴食を避け、食事の取り方やタイミングに工夫を加えることや、リラクゼーション法やカウンセリングを取り入れてストレスを軽減し、睡眠や運動を改善することで、吐き気の予防と症状の軽減を図ります。
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Step04
緊急対応が必要な場合
異常な嘔吐は、速やかに医療機関を受診し、緊急治療を受ける必要があります。特に腸閉塞や消化管出血が疑われる場合には、迅速な対応が求められます。