薄毛(AGA)になる原因

薄毛(AGA:男性型脱毛症)の主な原因は、遺伝的に特定の酵素(5αリダクターゼ)が活性化されやすくなり、それによりテストステロンがジヒドロテストステロン(DHT)に変換され、毛根に影響を与えます。
思春期以降に額の生え際や頭頂部の髪が薄くなる進行性の脱毛症で、遺伝や男性ホルモンの影響が主な原因と考えられています。男性型脱毛症(AGA)はDHTが毛包に作用し、毛が細くなる「軟毛化」が進行しています。

毛髪サイクルは「成長期」「退行期」「休止期」のサイクルを繰り返しますが、この周期が乱れると単なる薄毛とは異なり、ヘアサイクル(毛髪の成長周期)が乱れることで髪の毛が十分に成長する前に抜けてしまうことが特徴です。
髪の成長には多くの栄養素が必要で、鉄分、亜鉛、たんぱく質ビタミンB群、C、Eの不足は髪の成長を妨げ、毛髪サイクルの乱れる原因になる事もあります。
精神的・身体的ストレスがホルモンバランスを乱し、毛髪の成長期を短縮させ、血行不良により、毛根に十分な栄養が行き渡らなくなることもあります。また、生活習慣の乱れとして睡眠不足、喫煙、過度な飲酒も薄毛に影響します。
頭皮が脂っぽくなると毛穴が詰まってしまい、毛根の健康を害します。また、頭皮が乾燥したり、紫外線による酸化ストレスを受けることで、髪の育成環境が変化するなど頭皮環境の悪化や、強いシャンプーや長時間のスタイリングが頭皮にダメージを与える事も原因にもなります。
病気や薬剤の影響として、代表的なのが甲状腺疾患、自己免疫疾患となり、抗がん剤・抗うつ剤などが脱毛の原因となります。
すぐにできる薄毛(AGA)予防方法
薄毛(AGA)の予防は、頭皮環境を整える、栄養、睡眠、ストレス管理、運動などの生活習慣の改善から始めます。日常的にできるこれらの予防を取ることで、健康な髪を育む土台を作りましょう。
生活習慣を整えてもAGAが進行する場合、皮膚科や専門クリニックでの相談を検討しましょう。早期の適切な治療が、AGAの予防に繋がります。日常生活で予防できることを、下記で詳しく説明します。
バランスの取れた食生活
- たんぱく質:髪の主成分であるケラチンを作ります(卵、魚、肉、豆類)。
- 亜鉛:毛母細胞を活性化し、髪の健康を維持します(牡蠣、ナッツ類)。
- ビタミンB群:頭皮の血行を促進し、髪を育てる(レバー、葉物野菜)。
- 鉄分:酸素を頭皮まで運ぶ役割を担います(赤身肉、ほうれん草)。
- オメガ3脂肪酸:頭皮の乾燥を防ぎ、健康な髪の基盤を整える(青魚、亜麻仁油)。
頭皮ケア
- ぬるま湯(38度前後)で洗い、指の腹を使い優しくマッサージ。
- 洗浄力が強すぎるシャンプーを避け、頭皮に優しい成分を選ぶ。
- 自然乾燥ではなくドライヤーを頭皮から10〜15cm離して使用。
睡眠の質の向上
- 成長ホルモン分泌を促進するために6〜8時間の睡眠を確保。
- 寝る前のスマホ使用を控え、暗く静かな環境を整える。
適度な運動
- 有酸素運動を週3回以上行い、頭皮の血流を改善。
- ストレスホルモンの軽減やリフレッシュ効果を活用。
ストレスの管理
- 瞑想やヨガなどリラクゼーションを取り入れる。
- 趣味や休息の時間を確保し、心身をリフレッシュ。
禁煙と飲酒を控える
- 喫煙は血管を狭め、頭皮の血流を抑えるため避ける。
- 過度のアルコール摂取は栄養不足の原因となるため控える。
紫外線対策
- 帽子や日傘で頭皮を守る。
- 紫外線カットスプレーを活用。
薄毛の治療法

主に内服薬による治療法があります。
どのような内服薬を使用するのか簡単に説明していきます。
内服治療に用いる内服薬
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フィナステリド(プロペシア)
AGA治療において広く使用されている内服薬です。継続的に使用することで抜け毛を予防し、症状の進行を食い止める効果が期待できる点が最大のメリットです。 -
ミノキシジルタブレット
内服タイプの発毛促進剤として広く知られており、血流を改善する作用によって毛母細胞を活性化させ、発毛を促進する効果が期待できます。 -
ザガーロ
フィナステリドと同じくDHTの生成を抑制する薬ですが、効果がより強力で、特に進行が進んだ薄毛に対して効果が期待されます。
女性の薄毛(FAGA)

女性の薄毛は、女性型脱毛症(FAGA)やその他の要因が起因します。
男性とは異なる特徴や原因があります。
主な原因
- ホルモンバランスの変化や遺伝によるもの
- 精神的・身体的ストレス
- 栄養不足(鉄分、亜鉛、たんぱく質の不足)
- 睡眠不足や過度なダイエット
予防と改善策
- バランスの良い食事(特に鉄分・亜鉛・ビタミンを摂取)
- 頭皮マッサージや正しいシャンプーで血行促進
- ストレスを減らし、質の良い睡眠を確保
- 症状が進行する場合は皮膚科や専門クリニックに相談
女性の薄毛は適切なケアで改善する可能性が高いです。
まとめ
薄毛の原因は、遺伝やホルモン、生活習慣、栄養状態、ストレスなど、多様な問題が絡み合っています。これらの原因を冷静に、適切な対策を講じることで、薄毛の進行を抑えたり予防することが可能です。
心配な時は皮膚科や専門クリニックの受診や、カウンセリングを受けることも必要です。